【スタディ】ちょっと難しいEVのバッテリー容量単位の「kWh」とは? 容量2倍でも航続距離2倍にならない謎

電気自動車(EV)に車載されるリチウムイオンバッテリーの諸元で、kWh(キロ・ワット・アワー)と記された項目は、充電できる電力の容量を表す。エンジン車でいえば、L(リッター)と表記される燃料タンク容量と同様に考えるとわかりやすい。kWhは、1時間(h)にどれくらいの電力(W:ワット=仕事量)を出せるか、という能力を表している。kは、km(キロ・メーター)やkg(キロ・グラム)と同様に、1000を意味する。したがって、1kWは1000Wという意味だ。EVでkWhの数字が大きくなると、より多くの一充電走行距離が得られる。リッター数の大きい燃料タンクのクルマが、より遠くまで無給油で走れるのと同じだ。ただし、kWhの数字が大きい分、同じ比率で長距離を走れるようになるかというと、そう単純ではない。たとえば、軽自動車の乗用EVである日産サクラや三菱eKクロスEVのリチウムイオンバッテリー容量は、20kWhだ。満充電しておけば、WLTCモードで180kmを走行できる。日産リーフは、その2倍の40kWhを搭載するが、WLTCで322kmだ。一充電走行距離は2倍とならず、1.78倍である。リーフe+は、3倍以上の62kWhのバッテリーを車載するが、走行距離は458kmで、サクラやeKクロスEVの2.54倍だ。

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