【話題・自動運転】自動運転「無人タクシー」2025年実現も 西新宿の実証実験で明らかになった“2つの重要課題”

実験で使われた車両はトヨタの「JPN TAXI」をベースとしたもので、ここにティアフォーが開発した自動運転制御システム「Autoware」やGNSS、IMU(慣性計測装置)を搭載し、センサーにはLi-DARを6個、物体認識用カメラを6個、信号認識用カメラを2個併用する。これによって、性能的には自動運転「レベル4」相当の実力を備えているという。ただ、今回の実験では安全を考慮してドライバーが乗車する「レベル2」での運行となった。これについてティアフォーは、「歩車分離・区画整理された市街地図の道路で、通行する車両がさほど多くない環境であれば、ほぼ自動運転走行は可能なレベルにある」と話す。しかし、「歩車分離されず車線がない道路が含まれると対応はかなり難しく、特に中央線を超える必要がある路上駐車や歩行者自転車の追い越しでは対応が困難」とした。こうした状況を踏まえると、完全な無人運転のハードルは今もなお高いとも言えるだろう。とはいえ、実験を繰り返すことで進化はしていくもの。今回の実験では実用化に向けて二つのテーマが設けられて進められた。

一つめのテーマは「インフラ協調を核とする自動運転技術の高度化」だ。ここではKDDIの5G通信を使ってインフラと車両をつなぎ、新宿西口地下ロータリーに設置したセンサーによる発進支援や、信号情報の連携による走行支援、危険情報の連携による交差点走行支援を行う。さらにトンネル内での正確な現在位置を取得するために、反射強度の異なる塗料をトンネル内壁面に塗布する技術も併用されている。

二つめのテーマが「5Gを活用した社会実装につながる事業面の工夫」だ。ここでの目的は、自動運転がより受け入れられるよう社会的受容性を高めること。実験では西新宿スマートシティ協議会や一般社団法人新宿副都心エリア環境改善委員会(エリアマネジメント組織)とも連携し、まちづくりと一体となった実証実験を実施。将来の実装を見据えたサービスモデルを検討していくことにしている。

自動運転「無人タクシー」2025年実現も 西新宿の実証実験で明らかになった“2つの重要課題”(au Webポータル)

 

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