【新技術】太陽光発電有効活用のための電気自動車充電管理手法を開発

本研究グループは、PVが大量に接続された配電系統において発生し得るPV発電の出力抑制量の削減を目的として、需要家が所有するEVの充電機会を対象としたオークション形式に着目したエネルギーマネジメントの手法を開発しました。この開発手法は、個々の需要家がオークションによって、対象時刻にEVを移動目的で使用する便益と、PVの自家消費のために充電行動に充てる便益を、はかりにかけながらエネルギーマネジメントを実現しています。本手法は、前述の3つの要件を満たしつつ、対象エリアに接続されている需要家のPVの出力抑制量、および需要家の電力コスト(買電-売電)を低減することが期待できます。本研究グループは、この開発手法について、実際の配電系統における電気的な挙動を模した電力潮流シミュレーションと、需要家行動の経済的合理性をモデル化した、オークション・シミュレーションに基づき効果の評価を行いました。その結果、検証条件下でPV出力抑制量を最大で45.1%、需要家の電力コストを同じく20.1%削減できることが確認されました。さらに、エネルギーマネジメントに際して必要となるPV発電・電力消費予測の誤差の影響や、外出などに伴うEVのエネルギーマネジメント用途での利用の不確実性の双方を考慮した条件下でも、本開発手法によってPV出力抑制量、需要家の電力コスト削減を期待できることが合わせて示されました。

太陽光発電有効活用のための電気自動車充電管理手法を開発(科学技術振興機構)

 

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