「近距離移動を誰にでも快適に」・・・WHILLの新展開にモビリティの未来が見える

空港や病院での自動運転モデルを展開しているWHILLは、新たにモビリティ販売事業とモビリティサービス事業(自動運転モデル/スタンダードモデル)の2事業を発表した。

具体的には前者のモビリティ販売事業は自動車ディーラーなどでの販路開拓を通じ、WHILL専用の保険を含んだサポートサービスの開発や、自動車ディーラー店舗でWHILLの定期点検や修理を受けられる認定修理取扱店の設置などを確立する。後者のモビリティサービスは、導入する場所(WHILL SPOT)を全国レベルで拡大していく予定だ。

人の移動の中心は、その手段の中心に公共交通や自動車、自転車などを据えているが、WHILLの発想は、あらゆる「近距離移動」と「全世代、障がいの有無を超えた」モビリティに絞っている。

実は現状の交通問題の中でこれらが最も難しいテーマだと思っている。一応道路整備や設計は国や地方自治体が行い、移動手段ハードは製造事業者が行うことになっているが、極端な高齢化社会を迎えて、その構図は従来通りで本当に良いのかが問われている。

このWHILLの事業は、ハード技術はもちろん複雑な環境分析も要求されるから一筋縄ではいかないものと想像する。

一部政治家からは「ライドシェア」が叫ばれているが、そのような部分的な発想で次世代モビリティ社会が確立されるとはとても思えない。

もはや新しいモビリティ時代を作るのは政治でも行政でも大企業でもなく、「本当の思いやりを持った人たち」によるような気がする。