京セラ株式会社(以下、京セラ)は10月11日、5.7GHz帯における「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」を実現する基礎技術開発を発表した。
同技術は、電波を介して電力供給するワイヤレス電力伝送システムに適用することにより、スマートフォンやドローンなどの移動体にも安定した電力を伝送できるというものだ。ワイヤレス電力伝送が実用化できれば、電池交換や充電における手間、配線の制限により設置できなかった機器やデバイスの設置自由度が向上する。このため、実現に大きな期待が寄せられているという。
同技術の特長は、高速追従する電波制御と高精度な電波制御を同時に両立させて電波をコントロールすることだ。同時に、高効率に電波を電力に変換する技術も有している。高速追従する電波制御では、アンテナから放射される電波を電気的に制御するため、機械的な消耗や故障のリスクを排除することができる。一方、高精度な電波制御では、人体や他の無線システムに影響を及ぼさないよう電波放射を制御することが可能となる。
京セラ、空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムを実現する基礎技術開発（リガーレ）