福島第1原子力発電所の深刻な事故の発生で、日本EVクラブの館内端代表のもとには「原発事故により、EVの開発や普及に逆風が吹くのでは」という趣旨の問い合わせが殺到しているという。館内氏は、同クラブが電気自動車について学びたい人達を集めて開催したEV講習会のなかで、「冷静になって考えてほしい」と語る。「EVを増やすと原発を増やさなければならないのでは」との意見に関しては、「基本的にEVの充電は夜間におこなわれるものなので、ピーク時の電力消費を押し上げるものではない」と説明。自動車のエネルギー効率からみても、石油を燃やして動かす内燃機関と比較して、電気自動車はおよそ9分の1と優れており、EVの普及により自動車部門の石油消費量を節約できるという。将来的には、スマートグリッドにEVが組み込まれると、電力消費のピーク時にはEVから電力を吸い出すことも可能になる。EVが電力供給源として機能すれば「ピーク時の電力消費量をまかなうために作られた原子力発電所を、場合によっては削減することも可能になる」との見通しを示した。
【提言】原発事故はEV普及の逆風ではない
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