【話題・企業】埼玉発、ワイヤレス給電で世界一を目指す「カスタマイズ集団」

36歳で社長に就任した亀田篤志は、全従業員を食堂に集め、彼らの前に立ち、口を開いた。「これからビー・アンド・プラスはワイヤレス給電で世界一になります。どの分野で世界一なのかは決めません。ワイヤレス給電なら360度オープンでビジネスにしていきます。技術も営業もこの方針に従って、新規の顧客をどんどん開拓してください」。亀田はそう宣言したあと、目の前の社員たちを見つめた。しかし、彼らの顔からは生き生きとした反応は読み取れない。拍手も起こらなかった。ビー・アンド・プラスは亀田の父が創業した電気機器の開発および生産の会社だ。高いセンサー技術を活かし、海外売り上げも全体の2割を占め、安定した経営を維持する中小企業だった。ところが、父が引退し、片腕となっていた2代目を経て、息子の亀田篤志に経営のバトンが渡されたとき、この若い新社長は就任演説で「ワイヤレス給電世界一路線」を突如ぶち上げたのである。

埼玉発、ワイヤレス給電で世界一を目指す「カスタマイズ集団」(Forbes)

 

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