米ラスベガスで家電見本市「CES」の記者会見が開かれた1月4日。パナソニック社長の津賀一宏(60)は野生の馬が走り回るネバダ州リノの山奥に赴いた。電気自動車(EV)大手の米テスラモーターズと共同運営する電池工場「ギガファクトリー」の量産開始を祝う式典にテスラの最高経営責任者(CEO)、イーロン・マスク(45)とともに出席するためだ。前例がない生産規模となる自動車用電池の新工場は、建設合意から量産までに3年かかった。「両社で世界をリードしていきたい」(津賀)、「パナソニックの技術は最良だ」(マスク)。笑顔を見せる2人の表情には安堵感があふれていた。