京都大学の木本恒暢 工学研究科教授、須田淳 同准教授、丹羽弘樹 同博士後期課程学生のグループは、SiC(炭化珪素)半導体を用いて、世界最高となる2万ボルトの電圧に耐える整流素子を作製することに成功した。電力の送電、変電などの変換器には超高耐圧の半導体素子が必要となるが、現在使われているSi(珪素:シリコン)では材料の性質に起因する制約のため、6000~8000ボルト程度の耐圧が限界だ。SiCはSiより絶縁破壊や熱に強いという特長を有しており、次世代の電力変換用半導体として世界的に注目されている。今回、独自のSiCの結晶成長技術と加工技術、電界集中を緩和する構造の採用、および表面保護技術を集約し、2万ボルト以上の耐圧を示すPiNダイオード(整流素子)を実現した。
【新技術】京大、世界最高レベルの耐圧2万ボルトの半導体素子
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