【提言・自動運転】自動運転は街を「集中」から「分散」へと変化させる

現在の道路が渋滞してしまうのは、人間のドライバーの心理的要因が大きいと言われています。高速道路では、たとえば「サグ」と呼ばれる下り坂から上り坂に差しかかる凹型のところでは、ドライバーが無意識のうちに速度を低下させてしまうので渋滞が起きやすい。またインターチェンジから本線に入る合流部では、走行車線のスピードが落ちるのでドライバーは追い越し車線に逃れようとして、追い越し車線が詰まって渋滞してしまいます。

しかし完全な自動運転ではAIが運転するので、心理的な要素は入り込みません。だからすべてのクルマが自動運転車になれば、大半の渋滞はなくなると考えられます。交通事故も激減するでしょう。AIは酔っ払い運転も「うっかり」や「ボンヤリ」も皆無だからです。

そうなってくると、人間の運転する自動車は「ノイズ」になっていきます。道路とクルマを完璧に制御するのであれば、どんな行動をするのか予測できない人間の運転は混ざらない方が良いからです。このノイズを排除して、膨大な数の自動運転車が整然と隊列をつくって走る方が、効率が良く事故も少ないのは明らかでしょう。

佐々木 俊尚氏コラム「自動運転は街を「集中」から「分散」へと変化させる」(保険市場TIMES)

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