【スマートグリッド】EVテクニカ、逆送電システムを開発

川崎市多摩区の事務所に入ると、見慣れない真っ赤なコンセントが目に入った。「うちのオリジナルで、他のコンセントと一目で区別できます」。家庭の電気を使って電気自動車(EV)を充電するのとは逆の流れで、EVの蓄電池にためてある電気を室内に供給する逆送電時に使うという。逆送電システム「スタンドアロンV2Hシステム」は、既存の電気設備に接続せず、独立(スタンドアロン)した配線での設置が特徴。家中の電気を賄おうとすると、工事が大掛かりで費用は数十万円にもなるが、独立型は設備がシンプルで五万円台からで済む。「災害時の仮設電源として、毎日の生活でも、この赤のコンセントで家電製品を使えば、家の電気代は安くなり、EVの電気を使い切ることはありません」。既に十数件の取り付け実績があり、利用者から「月の電気代が五千円安くなった」との声も届いているという。

「車の枠に収まらない」 川崎「EVテクニカ」技術主任 岩田 大二さん(東京新聞)