東北大(仙台市)と弘前大(青森県弘前市)が仙台市内の民間企業2社と連携し、寒冷地向け電気自動車(EV)の研究開発を進めている。厳寒期の走行距離が夏場に比べて半減するEVの弱点を克服するため、補助用のガス発電システムを搭載したり、ハンドル操作を全てデジタル信号で制御することで省部品・軽量化したりするのが特徴だ。4月27日には東北大片平キャンパス(仙台市青葉区)内で走行試験に成功し、5年以内の実用化を目指している。設計は、弘前大の古屋泰文教授(機械材料機能学)と島田宗勝教授(電磁気工学)が行い、車輪部分は東北大の一ノ倉理教授(電磁気デバイス)が担当、仙台市の本田精機と工藤電機の2社が組み立てに協力した。EVのエンジンは低温状態では性能が落ちるため、気温条件が0度の時の走行可能距離は、25度の時の半分程度になるという。このため、ガス発電を搭載し、車内暖房や起動時のEVエンジンを補助、緊急時の充電などに使う。
【新技術】東北大など、寒冷地向け電気自動車の研究開発
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