日本電産は10日、レアアース(希土類)を使わない次世代モーター「SRモーター」を、電気自動車(EV)や ハイブリッド車の駆動用として量産する方針を明らかにした。2013年にも国内外の自動車メーカーに供給する。レアアースの価格高騰に対応し、代替技術の投入で自動車市場の開拓を加速する。永守重信社長が本社(京都市)で会見し、明らかにした。SRモーターはレアアースを使った永久磁石を使わず、軸の周囲の電気の流れを切り替えて回転させる仕組み。構造が単純で発熱が少ないうえ、低コストで量産できるのが特徴。ただ電流の制御が難しく、振動や騒音が大きい欠点があり、自動車向けの実用化が難しかった。日本電産は10年に米電機大手エマソン・エレクトリックのモーター事業部門を買収。同部門が保有していた特許技術を活用し、製品化にメドをつけた。エマソンはこれまで振動や騒音をある程度許容できる建機や農業用大型トラクター向けに開発を進めてきた。
【新技術】日本電産、レアアース不要モーターを13年にも量産
- 【新技術】デトロイトショー、ホンダNSXの後継は3モーター・ハイブリッド
- 【提言・新技術】モーターの磁力を変えるのに、永久磁石の特性を変えてしまえ!?