マイクロモビリティの世界4 KGモーターズが提案する「ミニマムなMaaS」ビジョンは自動車メーカーからは絶対に出てこない!

KGモーターズが発表した1人乗りのミニマムモビリティのことは本サイトでも何度も紹介してきた。どうしてもメディアは車両だけに注目しがちだが、同社代表の構想はそのモビリティの普及にとどまらない。まさしく「その先」まで考えているのだ。

というのは、

  • 現状の公共交通機関の課題➡自動運転が期待されるが、大型車による自動運転だと乗客の減少による乗車率の低下の問題は解決できず、コストが高くなり持続可能性が低いと考える。また、迂回経路を設ける必要があり、ユーザーにとっての利便性も低い。
  • KGモーターズが考える解決方法➡KGが提供するソリューション。自動運転LEVEL4段階での「ワンウェイ型シェアリングサービス」を戦略的に行う。
  • KGモーターズが考えるビジネスモデル➡ミニマムモビリティ(自動運転モデル)を購入したオーナーが貸し出せるプラットフォームを作り、手数料収入を得るビジネスモデルを考えている。

この構想には正直感服した。通常自動車を製造したら、その会社はどうやってそれを売っていくかを考えるところだが、同社は販売は手段にすぎず、その先にある次世代モビリティライフのカタチにまで言及しているのだ。

確かにモビリティ・インフラの理想形は、世界的企業のトヨタやホンダが創ろうが、お世辞にも進んでいるとは思えない行政が考えようが、前回紹介したLUUPや今回のKGモーターズが実現させようがそれが問題ではない。大事なことはそれがちゃんと人のために機能するものかにかかっている。利便性と低コストが実現すれば人は必ずそれを選択するはずだ。

日本同様国土が狭いイスラエルのあるスタートアップは、クルマを超小型化することで土地を“解放”しようとしている。それによると、35年までに全世界で従来のクルマを利用する人の割合が16%減り、代わりに公共交通機関やマイクロモビリティの利用者が増えると予測している。

KGモーターズと共通しているのは、小さなモビリティの普及が、人の移動や温暖化対策に貢献するという重大な視点だ。「効率から公正」こそが次世代トレンドと考える。

もはやマイクロモビリティの重要性は日本だけの問題ではない。

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