トヨタが目指す「歩行領域三輪モビリティ、シーウォークティー」の未来

「ちょっと便利かな・・・」という理由で、電動キックボードが注目されている。一部の人だが、歩道だろうが車道だろうが対向車線だろうが、我が物顔で走る。道交法もほとんど無視して。だから事故も絶えない。こういう乗り物の末路の大方は不幸な結末を迎える。

自転車にも同じことが言えるが、道交法のルールを守らないのは「守れる環境がない」ことでもある。端的に言えば、自転車など時速15キロ前後の移動体は、歩行者と完全にセパレートされた専用路があればほぼ解決する。

トヨタが発表した「シーウォークティー」は、石橋を叩いて渡るという表現が正しいかどうかはともかく、当初は一般公道走行不可とし、公園や広大な施設でしか使えない。さらに人と同じくらいの速さだから、まさしく人(歩行者)との共生を目指したモビリティと言えるのだろう。ご丁寧に「障害物検知機能」まで装備しているところは自動車会社だからこそできるワザだろう。価格は34万1000円と35万4200円だから、ざっとではあるが電動キックボードや電動アシスト自転車の2~3倍となっている。

この「シーウォークティー」、将来的には一般公道の歩道を走れる乗り物になっていくに違いないが、果たして乗り物の方が現状の日本の道路交通環境に合わせていくのが正しいのか、狭いからと諦めるのではなくセパレート道路など次世代の交通環境を確立していくのが正しいのか、小さな「シーウォークティー」が発信する課題は小さくない。