【施策】車の電動化戦略で官は民の補完役に

世界で販売する日本車を2050年までにすべて電動車にするという目標を経済産業省が決めた。電気自動車(EV)の普及について、英仏などの欧州諸国や中国が思い切った目標や規制を導入した。「自動車大国」「環境先進国」を自任する日本が遅ればせとはいえ、長期ビジョンを策定するのは意味のないことではない。この目標のミソは、EVではなく「電動車」を対象にしたことだ。エコカー戦略をめぐっては自動車メーカーごとに、排ガスゼロのEV重視か、より実用性の高いハイブリッド系の技術に力点を置くのか、戦略に違いがある。燃料電池車を含め、ほぼすべてのエコカーを包含する「電動車」という概念でくくったのは、ひとつの知恵というより、それ以外のやり方では自動車各社のコンセンサスが取れなかったためだろう。もう一つの特徴は、英仏や中国の目標が自国内で走る車を対象にしているのに対し、日本政府の目標は日本メーカーが世界で売るすべての車を対象にしたことだ。

車の電動化戦略で官は民の補完役に(日本経済新聞)

 

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