2010年は真のEV元年だったのか!?

サイは投げられた、からが大切だ

EVを中心とした技術は飛躍的に進化していることは間違いない。ルノー/日産連合のEVに関する機密が漏洩された事件が示すまでもなく、企業にとっては電池やインバーター技術の蓄積は会社の存続すら左右するほどの時間と金を掛けた特別なノウハウだ。EVで覇権を目指すルノー/日産連合にとっては、まさに一大事であろう。

で、今後の展望予想だが、EVの掛け声だけではなく、実を採っていくためには次の項目が肝になるのではと勝手に想像している。

  1. 電池技術は着実に進化しているが、2倍の性能までは数年以上掛かりそうなので、最新のインホイールモーター技術などを投入して、航続距離を300キロ以上にする必要に迫られる。
  2. 内燃機関自動車は完全に燃費競争に入っている。もはやリッター30キロは当たり前時代に突入していると言っても過言ではない。純粋な内燃機関にとって直近のライバルは実はEVではなく、リッター80キロをも可能にするレンジエクステンダーEVになるだろう。
  3. 充電インフラが拡大するのはいいことだが、いかに急速充電とはいえガソリン給油よりは時間が掛かるので、その時間を有効に使う施設や仕掛けが必要になってくる。
  4. コンバージョンEVも含めて、商業目的のEVを着実に普及させることが第一だろう。企業努力も必要だが国家レベルでの政策が肝心となるだろう。
  5. コミューターとしてのEV(例えばタンデム型2人乗りならばボディを細くできる)を普及させるべきだ。当然ながら税制面から駐車優遇まで、既成概念を超えた施策が要求されることは言うまでもない。
  6. 相変わらずエコカーの補助金頼みが続いている。そういうことに依存するのを止めて、EVと内燃機関を同じ課税方式にする必然性はない。単にEVを優遇するというのではなく、確固たる特性を精査し、フェアな税制に改めることが必要ではなかろうか。

などなど、初夢で見たわけではないが、普段感じていることを年頭にあたり列記してみました。

ルノー・トゥイージー:2009年フランクフルトモーターショーに出品された「トゥイージーZ.Eコンセプト」。六角形のキャビン、サイクルフェンダー、ガルウイングドアなど、独特な仕掛けが随所に見られるタンデム型2人乗りEV。 パワートレインは最高出力20ps、最大トルク5.8kgm。車重450kgのこのモデルには、必要にして十分で最高速は75km/h、最長100kmという。


日産ランドグライダー:2009年東京モーターショーに登場。都市型モビリティの新提案としている。機動性と環境性能に優れたタンデム型EVだが、日産はシティコミューターであってもドライビングの楽しさを追求。その形がバイクのようにボディを傾けてコーナリングする走り。ボディそのものを傾けることで狭いトレッドでも操縦安定性を確保する。