時代が求めるのは「持続可能社会」しかないでしょっ!

相変わらず政治の世界では「ちぐはぐ」が続いている。
一般国民にとってみれば、この際どこが政権をとろうが関係ない。要はまともな政(まつりごと)さえしてくれれば多少のことには目をつむる覚悟だ。

中国や韓国との領土問題、アメリカとの関係、貿易問題など喫緊の外交や食料安全保障は門外漢としてはコメントを控えるが、そのような国の重大事に対しても「ちぐはぐ」さが否めないから政治不信が募り、増幅することも間違いのないところだ。

そしてエネルギーの安全保障問題。ここでは主に電力問題を指すが、3.11から1年7か月以上が過ぎるというのに未だに原発の賛否だけに関心が集中しているような気がしてならない。
やれ原発ゼロならば2030年には電気代が2倍になる云々・・・・は、どうやらフェアな調査によれば原発ゼロも15%も25%も電気代にほとんど大差がないことが試算されている。
そりゃそうだ、仮に相対的な電力コストが増したとしても、使用量が減れば使用料自体は抑えることができるからだ。世の中の省電力技術はそれほど進んでいることの証明でもある。

このこととは直接関係ないが、山中京大教授がiPS細胞でノーベル賞を受賞した大ニュースだが、ここで気づくべきことは氏たちの成果、立派さだけではない。膨大な仮説の中からほんのわずかではあるが「真理」を突き詰めたところにポイントがあるのではないか。
氏らの研究成果は医学・生理学分野での「再生可能技術(再生医療)」という、まさに既成概念や常識を覆したことにあるわけで、それは世界中の誰にとっても大きな光明に違いない。だから偉大なことなのだ。

覚悟を決めればできるのに・・・・

そしてエネルギー(電力)の再生可能技術だが、日々のニュースをひも解いてみると、それらは加速度的に進化しているように思える。
例えば10月2日付の報道にあった「トヨタ、2030年に100%自給目指す次世代型スマートハウスを提案」は、再生可能エネルギー技術の具体的なあるべき姿を示しているように思える。

このプロジェクトの担当役員によれば「2030年までに、クルマも含めてエネルギー収支をゼロにすることを計画している。家で使うエネルギーもクルマの充電も含めてすべて自前の太陽光発電と燃料電池でまかなうことで、系統電力を要らなくなるようにしたい」とまで語っている。
反面「豊田市で行っている実証実験では7割まで自給できている。残りは太陽光発電の変換効率が上がってくればできてしまう技術だが、それが、なかなかしんどい」とも正直に語るが、かなりの確度で関連技術が進んでいることを暗に物語っている。


トヨタは、IT技術を活用し、利用者のカーライフをサポートする次世代“つながる”サービスのコンセプトモデル「Smart INSECT」を公開した。これは、超小型一人乗りモビリティEV「コムス」(トヨタ車体製・写真)をベースに、次世代の“つながる”サービスに必要なモーションセンサーや音声認識、行動予測による目的地設定などの技術を搭載し、クラウド上の「トヨタスマートセンター」を介して「人とクルマと家」をつなぎ、利用者との対話型サービスのコンセプトを具現化したもの。(出典:トヨタ自動車))



ちなみに同じような取り組みは積水ハウス、ホンダ、東京ガスなど名だたる企業の多くが真剣に取り組んでいる。どうも企業サイドでは数年先の近未来を完全に予測しているように思えてならない。

ここで言いたいことは一つ。
人(ここでは日本人)の知恵と技術力は凄い。仮にエネルギー(電気)の自給自足への道筋が見えているならば、それこそ政が企業や研究者を全面バックアップしてがんがん推し進めればいい。そこには電力供給の「大規模集中」も「小規模分散」も超えた真理が必ず存在するはずだ。もし実現するならば、山中教授らのiPS細胞ではないが、全世界に貢献できることはまず疑いようがない。

世界には立派な発電施設やインフラを作れない国がたくさんあるはずだ。
日本はどんなにカッコつけようと、世界に誇れるものはたった一つ「繊細にして高度な技術力」ではないだろうか。住家と移動手段(クルマ)と電力自給自足をセットで世界へ、なんてまんざら夢物語ではありませんぞ。
しかし、そういうことにちゃんと気づく政治家さん、いないだろうなあ・・・・。時代は間違いなくサスティナブル(持続可能)社会の実現なのに・・・。


東京ガスは、経産省が推進する「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一つである「横浜市スマートシティプロジェクト」の一環として、集合住宅版スマートハウス実証試験を行っている。これは地下1階・地上4階建ての集合住宅(24戸)に、家庭用燃料電池「エネファーム」、太陽熱利用ガス温水システム「SOLAMO(ソラモ)」、太陽光発電装置等の分散型エネルギーシステムを導入し、全体で熱と電気を融通することで、可能な限りのゼロ・エネルギー化を目指すもの。初年度は同等の標準的な集合住宅と比較して約4割の一次エネルギー削減と約3割のCO2削減を見込むという。(出典:東京ガス)