東日本大震災で被災した子供たちに電気自動車(EV)で花を届けるキャラバンが、往復2700キロ超の旅を終えて鳥取市に戻ってきた。走行距離50キロを目安に50回以上の充電を繰り返しながら、市販EVでは前例がないと自動車メーカーも驚くほどの長距離を9日間かけて走破。鳥取県や同市の職員などで構成されたキャラバンのスタッフは「被災地の子供たちに喜んでもらえて、花と一緒に心も届けられたと思う。疲れたが達成感があった」と話した。「とっとりグリーンウェイブキャラバン」と名づけ、来年秋に鳥取市などで開く全国都市緑化フェアのマスコットキャラクター、花トリピーを隊長に被災地の花と緑の復興支援に駆けつけた。排ガスを出さないEVの普及促進もねらった。球根や花の苗、鳥取の園児らが絵を描いたプランターなどをEVに積み込んで、先月17日に鳥取県庁を出発。被災して花壇がなくなった宮城県石巻市の保育所2カ所や「森は海の恋人」運動に取り組んでいる同県気仙沼市のカキ養殖場などを訪問し、25日に戻った。伴走車は設けず、列車や飛行機で先回りした交代要員が運転を引き継いでいった。石巻市で園児らと一緒に球根や苗を植えた河上一雄さん(36)は「被災地での歓迎と子供たちの明るさに、むしろこちらが元気をもらった」と振り返った。
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