【自動運転】自動運転の普及と駐車場の集約化-完全自動運転が普及した社会とまちづくり

完全自動運転の普及によって、都市空間から必要なくなるものの代表選手が駐車場である。少し踏み込んでまちづくりの観点から完全自動運転の普及を見据えた駐車場のあり方を考えてみたい。以前執筆したコラムでは、商業施設などの必要なくなった駐車場は、すべてを売り場の拡張に使うのではなく、アメニティを高める空間に用いた方がまちづくりにとってはよいと述べた。もともと素っ気ない空間である駐車場から、うるおいのある空間に生まれ変わることは、自動運転という技術を勝ち取ったことで得られる人間らしさという意味でも望ましいと思うからだ。ただし、建物個々にアメニティ空間を設けても、それらが点在するだけで、その効果は小さいかもしれない。そこで、まちづくりの観点からは、集約化することをまず考えたい。商店街に点在する平場の駐車場は、そこに出入りするクルマで歩行者の通行を妨げ、店舗が連続する街並みを分断し、商店街の賑わいを阻害する要因となる。こうした駐車場を集約化してまとまった面積にすれば、様々な活用が考えられるし、賑わいをよみがえらせることにつながる。

自動運転の普及と駐車場の集約化-完全自動運転が普及した社会とまちづくり。その6(ニッセイ基礎研究所)

自動運転の普及のために大切なこと-完全自動運転が普及した社会とまちづくり。その8(ニッセイ基礎研究所)

 

 

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