日本も世界一周EVゼロレースに参加するべきだった!

8月中旬の報道で気になったのが、11月にメキシコで行われるCOP16(国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議)に向けてスイスのジュネーブをスタートした「EV世界一周ゼロ・レース」だ。当然のことながら「ゼロ」を意味するのはゼロエミッション(排出ゼロ)のこと。

この「ゼロ・レース」は、世界16か国・150都市以上を通過し、自動車への再生可能エネルギーの利用率を高めることと、未来のために最高の環境基準を打ち立てることを世界各地にアピールしていくのが最大の目的だ。

参加EVは1回の充電で約250?走行できるというが、各マシンは自ら発電するか、風力、太陽光、水力などのクリーンエネルギーで発電した電力のみを使い、着順だけでなくエネルギー効率や安全性、さらには故障回数なども総合的に評価されるという相当シビアなルールとなっている。

レースルートは、ジュネーブからドイツやロシアなどを経てアジアを抜け、中国の上海から太平洋を船で渡る。カナダのバンクーバーからアメリカ西海岸を南下。米国サンフランシスコ、ロサンゼルスを経由し、メキシコのカンクンで11月29日から行われるCOP16に合わせて現地に集結する。その後大西洋を渡り、ポルトガルのリスボンから再びヨーロッパ入りして、予定では2011年1月22日にジュネーブに戻るという、まさに世界一周EVラリーと言ってもいい低炭素社会訴求イベントだ。

残念なことは、国連でCO2削減25%を高らかにうたった日本(鳩山前総理の時)だったのに、その日本にレース参加車両が立ち寄らないということだ。大きな理由はスイスナンバーでの走行許可がおりないからということらしいが、真相のほどはさだかではない。ちなみに参加チーム(国)はスイス、韓国、オーストラリア、ドイツの4カ国となっており、時間の関係か予算の都合かは分からないが日本の参加が実現しなかったのはまことに残念としか言いようがない。

まさに、日本のEVテクノロジーや姿勢を世界にアピールできる最大のチャンスと思ったからに他ならない。勝ち負けよりも参加することに大きな意義がある数少ない国際イベントだったはずだ。

このレースの経過は、「EV世界一周ゼロ・レース」オフィシャルホームページから見ることができる。

また、なかなか未来的でオシャレなエントリーマシンの雄姿は、AFPBB Newsでご覧ください。