2010年は真のEV元年だったのか!?

EVなどの次世代自動車に関するメディア報道や論調、提言をウオッチングするようになって数年が過ぎた。昨年、つまり2010年はその関連報道が格別に多かったことは、実際にほぼ毎日ウオッチングしている立場だから間違いないだろう。
なんと言っても三菱や日産から量販型のEV(アイミーブとリーフ)が発売されたことが大きい。海外のモーターショーの華はまずEV(コンセプト段階だが、何年後に発売と明記してあるものが多かった)に集中していたし、企業(特に電池系や素材系)のリチウムイオン電池関係の増産に向けた設備投資も顕著だった。地方もインフラを含めたEVによる「環境地区」作りに余念がない。
そうなった理由を改めて考えてみると、

  • どの調査機関によるものを見ても、EVを中心としたハード(PHV、HVを含む)、素材、部品などの需要は、飛躍的に伸びるという予測結果。
  • 環境対応、脱石油という絶対的な大義名分の下に、転換と同時にビジネスチャンスを暗示させるムーブメント。
  • その主たる対象国は、好むと好まざるとに関わらず「中国」。やはり、特大の潜在マーケット(中間層の拡大)には企業も注視せざるを得ない。
  • 携帯端末の進化(アプリ)と自動車という移動体をコラボレーションするためにも、その素材対象は「EV」が理想的に違いない。

などいくつか挙げられる。

一方、問題点も少なくない。端的に言えば、●価格が高い ●一充電当たりの走行距離に不安がある ●充電場所の確保 ●充電時間 などだ。

日産自動車のCEOから、EVが普及すれば車両価格はどんどん安くなる、と言われてもユーザーにとって大事なのは「今」でしかない。極論すれば「安くなって、航続距離に不安がなくなったら買ってもいいや」と言われては二言もない。そこまでは極端としても、ユーザー心理とはそんなものだろう。具体的な調査データはAPEVとイードが行った調査に詳しく出ているので参照されたい。http://www.rbbtoday.com/article/2011/01/11/73373.html