充電最新技術は「自動車発想」から始まらない方が実現は早い?

新年1月4日の東京新聞報道によると、夢のような研究が着々と進んでいた。それも日本で。

その研究は2014年にノーベル物理学賞を受賞した名古屋大・天野浩教授らの研究ということもあって注目度は高い。研究の中身は、離れた場所から電波を使って電気を送る「遠隔給電システム」だ。

EV・ドローン…移動しながら 電波でワイヤレス給電

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ワイヤレス(非接触)充電(給電)は、かなり以前から世界各国、企業、大学、ベンチャーで研究・開発がなされている。天野教授らの研究の注目点は「ドローン」から始まっていることだ。ドローンは現状だと20㎞モノを運ぶのに約30分しか飛ぶことができないそうだ。つまり頻繁に充電が必要になるからその分実用性が低くなる。そこで「遠隔給電システム」の出番となるわけだ。

天野教授らの研究チームによると、

3年以内に数十センチ⇒5年以内に100メートル程度⇒将来的には宇宙空間に太陽光パネルを浮かべ、地上に電気を送る「宇宙太陽光発電」、という壮大な計画だ。

発想のきっかけはドローンだが、このシステムがEVにも活用できることは言うまでもない。飛行中の充電が可能ということは航続時間は「無限」だ。EVの場合だと走行中の電池切れをまったく心配せずに走り続けられることになる。まさしく究極のシステムと言っていい。

世界レベルで電動化の時代が叫ばれていて、そのカギは電池の高性能化、短時間充電、安全性とも言われている。

もし「遠隔給電システム」が確立されたとすると、理論的には電池の大容量化、大型化が不要ということにもなる。次のその次には、電池は全固体式+超コンパクト&軽量が主流になる、ということなのだろうか。