超小型EV・キーマンズ Talk
act1 三本和彦氏 (モータージャーナリスト、写真家)

超小型EVなら路上駐車で優遇・・・ぐらいの大胆な発想がほしい!

Photo by畠田 冴子

Photo by 畠田 冴子

超小型EV友の会(以下友の会) 三本さん、超小型EV何台かの写真をご覧になったご感想は?

三本和彦氏(以下三本) 最初に写真見たときに、こりゃあ可能性あるなあと思ったのは小ささだね。そっちのサイトへの女性からの投稿が「可愛い!」、「乗りたい!」っていうんだろ? それってバカにできない視点だと思う。多分、一緒にいるペットの愛らしさと同じような感覚だと思うよ。おまけに音が静かで燃料(電気代)も食わない。財布にやさしいとなると、売る側はむしろ女性の目線を大切にしないとね。これがきっかけで小さいクルマが見直されるようなことになったらいいんじゃないかな。
ところで値段はいくらぐらいするんだい?

友の会 そこは現時点では未定です。

三本 価格が60~70万円くらいに設定出来るなら、ある程度はいけると思うけど・・・。でも、そのぐらいだと程度のいい中古車もあるし、難しいところだね。ところでクルマの大きさはどうなの?

※友の会・注:現時点で市販されている1人乗りのトヨタ車体のCOMSが補助金を除き約70~80万円、軽自動車は廉価版が70数万円だが、主力は100~140万円の価格帯。
超小型モビリティのガイドラインによると、サイズは1案が3200×1400×2000(旧軽自動車枠)以内、2案が3000×1480×2000以内(一部現行軽自動車を踏襲)。2案が有望と言われているが、新しいカテゴリーなのにサイズが軽自動車に近いとなると、その存在意義に疑問が残る。税制面も軽自動車に順ずる可能性があり、サイズ同様に新しいカテゴリーとしての意味合いが希薄になる懸念は拭えない。

友の会 決定ではないはずですが、最大規定サイズということで現行軽自動車に近いものになりそうです。もちろん、より小さくすることは製造者の自由ですから、実勢サイズとしては長さ2300前後、幅1300前後になると思います。そのサイズですと2人乗車はタンデムになることになります。

三本 せっかく「超小型」なんだから、掛かる経費の経済面も超小(型)を目指せれば理想だろうな。で、クルマ自体が省スペースなんだから、そこを念頭に置いた優遇措置もあったらいいと思うよ。例えば「路上駐車優遇」。

友の会 法制面の話しになりますから簡単にはいかないとは想像しますが、もしそうなったとしたら、間違いなく売れますね。

三本 そうだね。おそらく最初のうちはニーズが事業者向けになると思うが、もし製造・販売側がちゃんと利益出そうとすれば、やはり多くの個人ニーズも獲得したい。メーカーはそう考えていると思う。やはり、本格的な普及を考えたらその目安は月販5000台だ。口で言うのは簡単だけど、実現させるには相当の商品力、インパクトがないと達成できない。だとしたら、ただ小さい、可愛いだけではおそらく弱い。

友の会 そう思います。

三本 もちろん、難しいことは分かっているけど、国交省が、経産省や警察庁とうまく話し合って、例えば、場所に制限はあったとしても、30分なり、1時間なりの駐車可特例みたいなものを作ってやれば、都市部のユーザーはうれしいし飛びつくに違いない。
何十年ぶりで加わる新しいカテゴリーが、本当に世の中に行き渡ってもらいたいと思うならば、行政側からそのぐらい大胆な優遇措置提案があってもいいのでは、と思うな。

※友の会・注:あくまで保管駐車のことを指していると思うが、国交省の担当者によると、駐車場については各市区町村の判断に委ねると期待感を込めてコメントしている。もちろん、これは路上駐車優遇とは別次元のことを指している。

友の会 今後の展望で何かありますか?

三本 EV全体が一定の普及をしていくことは間違いないだろう。特にヨーロッパで動きが活発なのは、クルマの燃費ではなく、走行距離当たりCO2の排出量で規制が進められるからだ。アメリカでもカリフォルニアを中心にZEV規制が広がっていくわけで、そうなるとハイブリッド車でもクリアできないことにもなるそうだ。
欧米と比べれば日本国内の規制はゆるい感じがするけれど、低炭素社会や持続可能社会を目指し、実現させていくことは世界共通のことだから、ごく近い将来、短距離はEV、中長距離はFCVっていう流れを唱えるメーカーの姿勢は決して間違っていないと思う。
そういう中にあって、超小型EVがいいきっかけを作れたら、いいんじゃないかな。
それと技術的には、軽量化、予防安全、電池、モーター、給電方法など相当に進んでいるとは聞いているが、それこそ普及の兆しなり実態がなければ、日本のメーカーも頑張りようがない。
資源を持たない日本だからこそ生まれる、誰からも認められるような技術を世界に示してほしい。

友の会 私どももそう思います。本日は有難うございました。

三本和彦
1931年生、東京都出身。東京新聞記者、多摩美術大講師を経て、フリーのモータージャーナリスト兼写真家に。歯に衣着せぬ辛口コメントには定評があり、雑誌などへの執筆はもちろん、28年間続いたTV神奈川(TVK)の「新車情報」など、テレビ、ラジオのパーソナリティも数多く務めた。
著書も多く、「辛口クルマ選び徹底ガイド」(日本文芸社・刊)、「言わずに死ねるか!日本車への遺言」(講談社・刊)など多数。現在も雑誌ベストカーなどで活躍、その辛口ぶりは健在。
車歴は膨大だが、プリウスは初代から乗り継ぐ環境重視派。さらにディーゼルエンジンへの造詣も深い。最初に乗ったクルマがたま自動車の電気自動車であったことはあまり知られていない。
氏は数々の名言を残しているが、スカイラインGTを「羊の皮を被った狼」と称した名言は、あまりにも有名。

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